植物療法 研究トピックス
No. 1 椿の花にメラニン産生抑制作用あり!
~トリテルペン配糖体、サンチャカサポニン類が活性成分か?アルブチンと比較~
そろそろ咲き終わりそうな椿の花。この椿の花にメラニン産生抑制作用があり、それにはいくつかのトリテルペン配糖体が要因となっているらしいという発表があった。
ツバキ科ツバキ、学名はCamellia japonica。椿はその種子を圧搾して採取する椿油がヘアケアに、花部が健胃、抗炎症、止血や打撲のケアなどに用いられてきたという有用植物だ。そして、学名が示すように日本の花、椿はその花の華やかな美しさから多くの日本人を魅了してきたといえるだろう。
3月28~31日、北海道大学で行われた日本薬学会第132年会では、多くの興味深い研究発表が行われたが、その一つとして、この椿の花がメラニン産生抑制作用を持つという、京都薬科大の藤本らの発表がある。
この研究で用いたのは中国産の椿の花部のメタノール抽出物であり、まずはこれをいくつかの分画に分けて、新規の成分、トリテルペン配糖体であるサンチャカサポニンA~Dを単離した。そして、B16 メラノーマ 4A5 細胞にサンチャカサポニン類を付与、そのメラニン産生抑制について美白成分アルブチンと比較した。
その結果、これらの椿花成分サンチャカサポニン類はアルブチンによる抑制が38.1%であったのに対してサンチャカサポニンがBが89.1%、ササンカサポニンIIが99.3%と、大きなメラニン産生抑制作用を持つことが確認された。
日本、中国を代表する美しい花、椿。赤く染まったあの花は、女性を美しくする美白成分をしっかりともっているようだ。ローズにせよ、椿にせよ、美しい花は女性の美しさをより引き出す手助けをしてくれるということだろうか。椿の花のチンキを仕込んでみようと思う。
参考)日本薬学会第132年会(札幌)